月別アーカイブ: 10月 2012

プレゼンテーションのテンポ

結婚式のスピーチでも学会発表でもしゃべりはテンポが重要である。自分の反省を込めて言えば、用意してある原稿を全部網羅しようとするとテンポが悪くなり聞き手は退屈してくる。焦って早口になる必要はないが、もしもスライドがあるのなら書いてあることの7-8割程度でよい。聞き手が興味を持ってくれれば不明な点は後で質問が出るだろうし、その時に大いに話せばよい。

テンポの良いプレゼンはスポーツで言えば、少ないパスをつないでゴールするイメージである。パスはやたらつながるが、結局シュートも打てないのでは本末転倒であろう。そのためには、最初に何をゴールとすべきかをイメージすることと時間の制約を頭に入れておくことだ。

成田エクスプレス チケットレスサービス

スマートフォンにしたら試してみたかったことに成田エクスプレス(NEX)の指定席を予約するということがある。JRのインターネットチケット販売サービス「えきねっと」はかなり長い間利用しているが、携帯・スマートフォンではなかったために今まで利用できなかった。成田で預けた荷物を待つ間にNEXの予約ができるわけだ。

ということで早速利用してみた。車両のお好みの席の指定も可能だ。料金はチケットレスというためか通常より200円安い。また、このサービスで購入できるのは「チケットレスの特急券」のみで乗車券は別払いとなる。

東京ラーメンショー

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満月の今夜は家族そろって駒沢公園の東京ラーメンショーで夕食を取った。ラーメンのアイドル?らしきタレントもいたし、食後のガリガリ君の販売もあった。昨日も行った娘からあらかじめレクチャーを受けていたが、人気の山形ラーメンは売り切れ、札幌味噌ラーメンや大阪ブラック麺も長蛇の列。結局、名古屋ベトコンラーメンと博多とんこつラーメン二杯を食べた。

会社帰りのサラリーマン、カップル、学生、家族連れと客層も様々である。元気そうな若者は四杯食べたそうで若いって素晴らしい。

一週間で熊谷達也氏三冊目

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この1週間で同い年、同郷の熊谷氏の小説を三冊読んでしまった。同時代に同じ場所で少年時代を過ごした人の物語だから、価値観や行動パターンが相当オーバーラップしている。50歳前後でギターやバンドを再開するというのもそのまんまだ。しかも、『七夕しぐれ』、『モラトリアムな季節』のアナザーストーリーという構成だから、二作を読んでいると余計に面白い。

自分はこの作者ほど微細に学生時代の振り返りを行うことはなかったし、小説内の回顧シーンにも少々辟易とした。むしろ、今の「オヤジ」としての主人公を描いた部分が、面白く面映ゆく読むことができた。結局は、「今のあなたから仕事の部分を取ったらいったい何が残りますか?」という質問にどう答えるのかということだろう。

果たしてさわやかな朝は来るか?「グリシン」

夜の10時ころ堪らなく眠たくなって30分位寝てしまうことがある。居酒屋だったり家だったり場所は関係ない。その後、眠気がなくなり夜中は普通に眠ることができる。朝は6時ころ目が覚める。この分断された睡眠パターンを改善したいと思った。正直睡眠薬を飲むほどではないので、「グリシン」というアミノ酸を購入してみた。薬ではなく、栄養補助食品である。

ネットにあった能書きによれば、睡眠導入効果はない。しかし、睡眠の質を高めるとある。「末梢血流を増加させて熱放散を促し、深部体温を低下させる効果がありますので、就寝前に摂取することで、睡眠の質を高めます。」ということらしい。さらに、美肌効果・ストレスの緩和・コレステロール減少もあるそうだ。うーむ、聞けば聞くほど理想的だが、本当にそうなのか?

まずは自分自身で実験するしかないのだが、3日ほど試した感想は魔の時間夜10時になると、疲れているときは眠くなるし、元気な時は眠くならない。しかし、飲んでいるときにプラシーボ(偽薬)効果があるかもしれない。しばらくは実験を続けてみようと思う。

ヒューマンゲームの事例集

「ゲーミフィケーション」という言葉が使われたことがあるが、この本はチームビルディング、アイスブレイク、ブレインストーミングのための人間が複数でゲーム感覚で価値を生み出していくための事例集である。翻訳も比較的こなれていて読みやすいが、内容がやや抽象的なのでファシリテーターには少々経験が必要となるだろう。

冒頭に、発散と収束のモデルが提示されている。所謂、合理的意思決定とは別の創発型の価値創造を行うためには、複数の人間が集まりいったん意見を発散させ、その後に収束させていく過程が必要だとしている。この命題は集団意思決定の理論としては正鵠を射ている。

巻末には、日本での実施事例が写真を含めて紹介されている。ゲームのためのゲームではなく、価値創造や業務改善につなげるためのゲームを目指しているが、如何にその場限りの面白さにのみ留めずに、ルーチンとして定着させていくかが鍵となる。

もし大学浪人をしていたら

今さらそんなことを言ってもどうしようもないが。熊谷達也著『モラトリアムな季節』は、自分と同じ年生まれの著者が大学受験に失敗して仙台の予備校に通う物語である。先ごろ読んだ『七夕しぐれ』の続編で、同期で同郷の著者の自伝的物語なので他人事とは思えない。当時は、一浪は「ひとなみ」と言われており、自分の友人たちも多くが浪人して仙台の予備校に行った。地元の国立大学に行かず、現役で東京の私大に行った自分は完全な少数派だった。

著者の分身の主人公は、仙台の予備校で受験勉強にも身が入らず、ロックや映画そして女の子に夢中になっていく。彼は宮城県の北部出身なので、仙台でアパート暮らしをしている。親元を離れてアパート暮らしという点は自分と同じだ。地方出身者は、高校を出てすぐに一人暮らしと知らない環境で学ぶという二重のカルチャーショックを受けるわけだ。この本を読んで懐かしくなり昨日は昔住んでいた中目黒のアパートを見に行ってしまった。

主人公は、そのまま大学に行き就職するような人生を「羊の群れ」と呼び、そんな人生は送りたくないと考えている。結局彼(著者)は三浪!の末、東京の私大に進学した。そして中学の教員の後、作家になり今も仙台に住んでいる。もし自分が浪人していたら、果たして彼のようになっていたかどうかはやはり分からない。

まだあったのか・・・

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今夜は徒歩帰宅で代官山の蔦谷書店など華やかなエリアを通り、中目黒に向かった。大学時代2年間を過ごしたアパートがどうなっているか見てみたかったのだ。卒業以来30年ぶりに蛇崩川に沿って歩いた。確かに行きつけの銭湯や、定食屋はなかった。しかし驚くべきことに、そのアパートはそのままの形で存在していた。なんせ自分が住んでいた時に既に築20年くらいだったから、今や築50年越えだろう。

当時の木造アパートがまだあったことはちょっとショックだった。夜で不審者だと思われるのもまずいので、あまり詳しくは見ることはできなかったが、一階に住んでいたはずの大家さんの気配はない、また各部屋も暗く電気は点いていなかった。だからもう誰も住んでいないのかもしれない。風呂もないしトイレも共同だった。しかしなぜか外国人(エジプトやカナダ、アメリカなど)も住んでいた。大家さんが、外国人を受け入れる人だったのだろう。

エアコンもなかったし住もうと思う人はあまりいないだろう。それでも、色々な思い出がある場所がいまだに残っていたのは嬉しいというよりも当惑して、その後は自宅まで淡々と歩くしかなかった。

米大統領人気の男女差異

米国の大統領選挙が近づいてきたが米国のニュース番組で面白い報道があった。仮に、有権者が女性だけの場合はオバマが圧勝、男性だけの場合はロムニーが圧勝ということで性別によって明確に人気が異なるということである。所謂、ハト派とタカ派の違いとも言えるかもしれないが、政策と人となりの複合の評価と考えるべきだろう。

もちろん、男性でオバマ支持者、女性のロムニー支持者も数多く存在するから、単純な物言いはできない。しかし、男女の差が大きくないように見える米国でも、大統領を選ぶということはトータルに性差を際立たせるテストとなるのかもしれない。そのためかどうかは定かではないが両者の支持率は拮抗していてどちらが選ばれるかは予断を許さない。

はっきりしていることは、ヒーロー的な指導者はなかなか現れないということ。どちらが大統領となっても、容易には現状は変わらないだろう。それだけに有権者は悩ましい選択を強いられる。

5年2組の思い出

高校の同窓生に教えてもらった小説で、自分たちと同じ年の作家が同じ故郷仙台の小学5年生の男子を主人公にした物語だ。ほとんど知られていなかった仙台における部落の差別といじめを主題にしている。但し読後感は爽やかというかすっきりとした仕上げになっている。著者の熊谷達也氏の自伝的な香りもする。同郷で直木賞作家だが、今まで彼の存在は全く知らなった。

自分が小学5年の時にはこんなにしっかりと物事を考えていなかったよなと思いながらも、差別されてる友人たちを庇ったことでいじめの対象になってしまった主人公に感情移入しながら読んだ。何せ、自分がまさに体験していた仙台市内の地名や方言、テレビ番組などがちりばめられているからだ。5年2組の主人公とともに自分の思い出も甦る。

落ち着いた感じで書かれた表紙の広瀬川河畔の風景もどこか見覚えがある。